4月2日は、国際子どもの本の日です。

世界版(オリジナル)
日本語版

国際子どもの本の日

童話作家アンデルセンの誕生日(4月2日)は、「国際子どもの本の日」です。子どもに本のよろこびを、大人にも子どもの本のおもしろさをつたえるため、1967年、IBBY(国際児童図書評議会)によって定められました。世界中で子どもと本のお祭りがひらかれます。

IBBYに加盟する支部は、この日にあわせて順番に、記念のポスターとメッセージを作成し世界中に発信します。2026年はキプロス支部が担当しました。メッセージのテーマは「ものがたりを植えよう 世界中にさくように」。キプロスの児童の権利保護担当コミッショナーでもある作家のエレナ・ペリクレウスの小さな物語が、子どもたちの投票で選ばれた絵本作家サンドラ・エレフセリウによる美しいポスターとともに届きました。

日本では、毎年、JBBY(日本国際児童図書評議会)が、ポスターとメッセージの日本語版を作成し、全国の図書館や関係各所に送っています。

2026年国際子どもの本の日・キプロスからのメッセージ
ものがたりを植えよう 世界中にさくように

作:エレナ・ペリクレウス
日本語訳:武富博子

 むかしむかし、子どもが生まれました。おとぎ話の主人公よりも、よい人生をのぞんでいました。めでたしめでたしでは、ものたりません。
 子どもは育ち、本を読み、いろんなものになりました。ドン・キホーテになって風車とたたかい、アリスになって不思議をあじわい、ロビン・フッドになって森をまもり、オオカミになって月にうたう群れをまとめました。
 月日がたちました。この世界は、子どもがかつて夢みたようには変わりません。子どもはどうにか、庭のなかに自分の世界をつくりあげ、心からたいせつなもので満たしました。
 さらに月日がすぎました。たくさんの本が、たましいに知恵をささやきこんでくれたので、子どもはするべきことがわかりました。
 秋になると、土をたがやし、種をまきました。
 冬がきました。子どもはしんぼうづよく、白いおおいがとけるのを待ちました。芽ばえつつある本のなかまにささえられながら。
 やがて、春になりました。やわらかな新芽がふき、幹はふとくなり、枝はのび、つぼみがほころびます。子どものたましいは花ひらき、色と香りに満たされました。
 そして、夏は? ボート、ヨット、気球、自転車……とおく、ひろく、旅する季節です!
 いま、子どもははっきりとわかりました。この世界を変えるには、みずから、植える人になればいいのです。
 魔法のものがたりを植える人。言葉をまいて、イメージをたがやし、不思議をかりいれ、想像力に水やりをします。すると、ものがたりが育ち、ひろがっていきました。
 それから? 子どもは愛をこめてかりこむと、花束にして、道ゆく人に贈りました。平和の花束、希望の花束、勇気の花束、不可能ではないと信じる花束。ちいさな奇跡の花束をひとつひとつ、すべての人に。
 毎年、春の4月2日、子どもが植えたものがたりは、かがやくように、世界中にさきわたります。
 ああ、そして庭仕事の作業場では、知恵がはぐくまれ、伝えられていきます。若い者へも、老いた者へも、同じように。
 子どものつくった庭は「希望の庭」になりました。「奇跡の中庭」になりました。そこでは、魔法つかいがしっかりと地に根ざし、ものがたりをつむぐ赤い糸を、そよかぜのなかへ、ときはなっています。

メッセージのリーフレット▼ Pdfはコチラ