7/17オンライン・リレートーク「子どもたちの現在と未来に向けて—わたしたちができることは?—」

★フォーラム子どもたちの未来のために・オンライン・リレートーク★

子どもたちの現在と未来に向けて
わたしたちができることは?—

 「子どもたちが危ない!」と題した6月26日の前川喜平さんのオンライン講演会では、子どもたちをとりまく様々な問題が指摘されました。
 例えば、昨春の全国一斉休校。子どもたちの学ぶ権利を奪ったばかりではなく、安心安全が保障されている学校という場を長期間に渡って閉鎖してしまった暴挙であり人災であると前川さんは話されます。
 緊急事態宣言下で貧富の差も拡大し、学校給食が食べられなくなった子どもにとっては長期休校は命の危機にもつながります。家庭内暴力も増えているにもかかわらず、休校のために潜在化。オンライン学習にも貧富の差が反映します。学校再開後も学習の遅れを取り戻すための詰め込み教育が加速化して子どもたちの負荷は高まるばかりです。
 コロナ禍によって炙り出されたこうした子どもを取り巻く環境の劣悪化は、教育基本法の改悪を目指した岸内閣の時代に端を発したと、前川さんは指摘されます。改悪は第一次安倍内閣で実現し、その後も愛国心教育や道徳の教科化などから、忠君愛国を子どもたちに押し付ける戦前の教育勅語や修身の復活にもつながりかねません。
 このような現在、子どもの本に関わる私たちに、いまできることは何なのか―― 5人の方々に、それぞれの立場からお話しいただきます。

日時2021年7月17日(土)14:00~16:00
スピーカー十々夜さん(イラストレーター)
那須田淳さん(作家)
降矢奈々さん(絵本作家)
松本 猛さん(美術・絵本評論家)
令丈ヒロ子さん(作家)
参加費無料
申込方法➡PEATIX(外部サイト)からお申し込みください
主催「フォーラム・子どもたちの未来のために」実行委員会
絵本学会、絵本作家・画家の会、童話著作者の会、日本国際児童図書評議会(JBBY)、日本児童図書出版協会、日本ペンクラブ「子どもの本」委員会

■ 講師紹介

十々夜(ととや)さん
児童書のイラストレーターとして2007年「アンティーク F U G A 」シリーズ(岩崎書店)より活動をはじめる。『妖怪道中膝栗毛』『妖怪道中三国志』(あかね書房)、『波乱に満ちておもしろい! ストーリーで楽しむ伝記 空海』(岩崎書店)などのイラスト担当の他、近刊では『渋沢栄一』(講談社青い鳥文庫)、『食虫植物ジャングル』(文研出版)など。現在、雑誌『基礎英語レベル1』2021年度表紙挿絵担当。京都市在住。

那須田淳(なすだ・じゅん)さん
1959年、静岡県生れ。95年よりドイツベルリン市在住。早稲田大学卒。88年に『三毛猫のしっぽに黄色いパジャマ』(ポプラ社)でデビュー。『ペーターという名のオオカミ』(小峰書店)で産経児童出版文化賞、坪田譲治文学賞を受賞。著作に『一億百万光年先に住むウサギ』(理論社)、『星空ロック』(あすなろ書房・ポプラ文庫ピュアフル)など多数。翻訳も『ちいさなちいさな王様』(講談社)など多数ある。和光大学、共立女子短期大学非常勤講師。

降矢奈々(ふりや・なな)さん
1961年東京生まれ。スロバキア共和国のブラチスラバ美術大学でドゥシャン・カーライ教授に師事。本の挿絵と石版画を学ぶ。スロバキアの生活をテーマにした絵本に『ナミチカのきのこがり』(童心社)がある。この春にチェコの昔話絵本『ヴォドニークの水の館』(BL出版)を刊行。偕成社のウェブマガジン“Kaiseiweb“にて隔月のエッセイ「ドブルーフッチ!降矢ななのおいしいスロバキア」を連載中。スロバキア共和国在住。

松本猛(まつもと・たけし)さん
1951年生まれ。美術・絵本評論家、作家、横浜美術大学客員教授、ちひろ美術館常任顧問。1977年にちひろ美術館・東京、97年に安曇野ちひろ美術館を設立。同館館長、長野県立美術館・東山魁夷館館長、絵本学会会長を歴任。著書『いわさきちひろ 子どもへの愛に生きて』(講談社)『安曇野ちひろ美術館をつくったわけ』(新日本出版社)、絵本に『白い馬』(講談社)『ふくしまからたきたこ子』(岩崎書店)など
http://www.takeshi-matsumoto.jp/

令丈ヒロ子(れいじょう・ひろこ)さん
1964年大阪市生まれ。出版社勤務を経て、1990年作家デビュー。『若おかみは小学生!』シリーズ(講談社青い鳥文庫)は累計300万部を超すヒット作になり、2018年テレビアニメ化、また高坂希太郎監督による劇場版アニメ化作品は第42回日本アカデミー賞優秀アニメーション賞他、多数の受賞。他の著書に事実をもとにした読み物『パンプキン!模擬原爆の夏』『長浜高校水族館部!』(以上、講談社)など話題作多数。成安造形大学、嵯峨美術大学客員教授。