【希望プロジェクト・野馬追文庫報告】2022年初夏

JBBYは、東日本大震災の被災地支援として、地震・津波・原発事故すべてに被災した福島県南相馬市の子どもたちや、その子どもたちを支える方たちに、定期的に子どもの本を届けています。

今年は梅雨明けが早く、初夏の本と思って届けたときはもう猛暑でした。
猛暑のなか、地元のおおうち書店さんが各施設に配達してくださいました。
今回は、布絵本制作団体から寄贈していただいた手作り布作品も加えました。

<聖愛こども園にお届けした本>*今年度の保育テーマは「川」

『だいくとおにろく』松居直 再話、赤羽末吉 画、福音館書店
『ガンピーさんのふなあそび』ジョン・バーニンガム 作、みつよしなつや 訳、ほるぷ出版

<聖愛ちいろば園にお届けした本>

布絵本『さかな』ふきのとう文庫
さかなつりぐるーぷ・もこもこ
『てんじつきさわるえほん さわってたのしいレリーフブック さかな』村山純子 著、小学館

<小高認定こども園にお届けした本(しかけ絵本を中心に)>

『コロちゃんはどこ?』エリック・ヒル 作・絵、まつかわまゆみ 訳、評論社
『にじをつくったのだあれ? リボンのしかけえほん』ベティ・アン・シュワルツ 作、ドナ・ターナー 絵、鈴木ユリイカ 文、世界文化社
『はっけんずかん むし 新版』(しかけ絵本)学研
布絵本『こんちゅうえあわせ』ぐるーぷ・もこもこ

<小高交流センターにお届けした本>

『大型絵本 きんぎょがにげた』五味太郎 作・絵、福音館書店
『どしゃぶり』おーなり由子 文、はたこうしろう 絵、講談社
『雨、あめ』ピーター・スピアー 作、評論社
『Michi』junaida 作・絵、福音館書店
『ウォーリーのゆめのくにだいぼうけん!』マーティン・ハンドフォード 作・絵、唐沢則幸 訳、フレーベル館
『ほんとのおおきさ水族館』小宮輝之 監修、松橋利光 写真、柏原晃夫 絵、高岡昌江 文、学研

全村避難の村 福島県川内村の近況

 野馬追文庫で以前から本をお送りしていた福島県川内村の「かわうち保育所」が「認定こども園かわうち保育園」になりました。先日、川内村の村長と保育園の先生方とのお話を伺う機会がありました。

▶川内村村長は、
 震災翌年の2012年1月、「戻れる人から戻る。心配な人はもう少し様子を見てから戻る」と「帰村宣言」したこと。震災10年の2021年には新しいコミュニティをたちあげ、特に「未来からお預かりしている子どもたち」の義務教育を一貫して9年制の村立川内小中学園を開校したこと。その建物の中には、村民のだれでも利用できるコミュニティスペースがあること。子どもの数は震災前の半分まで回復(震災前223人⇒現在109)したが、その4割が移住者で、ひとり親の家庭が川内村を指定して転入してくること。高齢者の要介護率が高くなり、新たなニーズに対応したインフラの整備や雇用確保が必要なことなどを、力強く語られました。

▶認定こども園かわうち保育園の先生たちからは、
 川内小中学園と同じ敷地内に新たに開設した保育園の環境や、小中学生との交流も含めた異年齢保育の様子などをご紹介いただきました。在園児は現在34人で、転入が13人うちひとり親家庭は5だそうです。

今の「福島」の新しい姿を教えていただきました。