黒部の谷の小さな山小屋（NF写真絵本）

『黒部の谷の小さな山小屋』

６月、黒部の谷で山小屋作りが始まる。冬は雪に押しつぶされないように、小屋を解体して部材をトンネルにしまっておくのだ。柱を立て、壁を入れ、屋根をのせて３日で阿曽原温泉小屋が完成する。10 月は、大勢の登山客が黒部の谷に訪れるいちばんにぎやかな季節だ。山小屋でひと休みして風呂に入り、おいしいカレーを食べ、足の疲れを癒やす。11 月、白い霜がまわりを覆い始めると、小屋じまいだ。「また来年」と笑顔で谷を離れる。夏から秋の黒部の美しい自然と、小屋に集まる人びとの姿を鮮やかに伝える写真絵本。（汐﨑）