本を探す/book search


マスク越しのおはよう(読みもの)

山本悦子 著 | 田中海帆 絵

カテゴリー: おすすめ!日本の子どもの本読みもの/chapter books and novels

『マスク越しのおはよう』

新型コロナウイルス感染症が日本で広がり始め、一斉休校から分散登校、そしてマスク着用を義務としての通常登校になった時期の中学2年生の様子を、同じクラスの5人が章ごとにそれぞれの視点で語っている作品。
「マスク歴三年」の千里子(ちりこ)は、小学4年生からマスク登校をしていて、その後、友だち関係が理由で不登校になっていたが、全員がマスクを着用する2年生の登校日から登校し、過去の友だち関係も修復する。「ヒョウ柄マスクのプリンセス」の芹那(せりな)は、夜にお酒を出す店に勤めている母と7歳年下の妹との3人暮らし。貧困のため、母親のヒョウ柄のスカーフでマスクを作り登校する。医者を母に持つ小山さんは、芹那の母親が仕事に行くのは感染を広げている行為だと非難する。「風に吹かれて」の麦は、幼い頃家を出て行った母がコロナを心配して会いにきてくれたら顔がわかるようにとフェイスシールドをしている。しかし、母は会いに来ず、自分から母に会いに行く。「『別人28 号』主演」の沙織は、過去に髪型を理由にいじめられて以来、不登校になっていたが、別人として登校してみたらという亡くなった祖父の助言を聞いて登校する。「七匹目の子ヤギ」の美咲は、自分以外の家族全員がコロナにかかって、ひとりマンションに残されて不安な気持ちになる。パンデミックの不安を感じながらも、それを転機ととらえて生き抜こうとする思春期の子どもの変化がいきいきと描かれている。(土居)

出版社 講談社
初版年 2022年
ISBN
ページ数 304頁
サイズ 20×14 |
対象年齢 13歳から
キーワード パンデミック、アイデンティティ、友だち

  • 2022
  • 304 pages
  • 20×14 |
  • Ages 13 +