手で見るぼくの世界は(読みもの)
『手で見るぼくの世界は』
視覚支援学校の中学部にあがった佑(たすく)と双葉の1年間を描いた作品。
小学部の時はふたりだけのクラスだったが、中学部になると寄宿舎があり、遠くから通う同級生もいて、7人のクラスになる。これまで佑は活動的な双葉を頼ってばかりいたが、双葉は春休みに外出した時、人にぶつかって転倒し、ぶつかった人に差別的な言葉を投げつけられたことにショックを受け、不登校になっていた。新学期当初、佑は同級生とうまくなじめず、歩行訓練士の塚田さんに白杖の使い方を教えてもらうのもためらっていた。しかし、電話にも出ず、ずっと学校に来ていない双葉に会いたい一心で、挫折を味わいながらも、白杖を使ってひとりで外出できるように努力する。そして、近くのコンビニへ行ったり、地下鉄に乗ったりすることができるようになる。また、その過程で5人の級友にも心を開いていく。
一方、双葉は母に誘われて「伴歩・伴走クラブ」という、目が見えない人といっしょにウォーキングやジョギングをする団体に参加し、少しずつ外出ができるようになる。佑の電話にも応え、母とブラインドマラソン大会に出場する。視覚障害のある若者たちが、自分の身のまわりの様子をどのように理解しているのか、どんな日常生活や学校生活を送っているのか、何に悩み、どう成長していくのかが、佑と双葉の視点からていねいに、かつリアルに描かれている。(土居)
出版社 | くもん出版 |
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初版年 | 2022年 |
ISBN | |
ページ数 | 280頁 |
サイズ | 20×14 |
対象年齢 | 13歳から |
キーワード | 視覚障害、不登校、友だち |
- 2022
- 280 pages
- 20×14
- Ages 13 +