スクランブル交差点(読みもの)
『スクランブル交差点』
2学期の最初の日、高校1年生の柳田強のクラスに、イタリアから交換留学生が入ってくる。レトロな丸眼鏡でラーメンみたいに縮れた黄色い髪の毛。名前は、マルコ・デ・ルーカだが、マルコと呼んでくれという。ホームステイ先が強の家に近いということから、強が世話係にさせられる。マルコは北斎が好きで日本文化やことわざや文学にも詳しい。英語も抜群で水泳はうまいし、丸眼鏡を取ったら意外にイケメンだったことから、女の子たちから人気になる。そんなマルコにクラスの厄介者の3人組が、あれこれと意地悪をし、当たらずさわらず適当にやり過ごしてきた強も黙っていられなくなる。強とマルコに小学校時代から同じクラスの波多野由衣や彼女の友だちの野上愛も加わり、マルコと愛がつき合ったりするなど、3学期が終わりマルコが帰国するまでの7か月が波乱万丈に展開する。
そして2年後、世界的な感染症のパンデミックに見舞われたなかで高校3年が始まる。マルコと遠距離恋愛中の愛は、イタリアの大学への進学を目指し猛勉強。由衣は推薦枠で志望のデザインスクールに決まり、強は大学の推薦選抜に落ちる。マルコと愛の誤解による破綻の危機なども絡め、さまざまな方向から人びとが行き交うスクランブル交差点のように、イタリア人留学生を核に、強の目を通して描かれた青春群像。強自身の心境の変化も軽快なノリで前向きに語られるところが痛快だ。(野上)
出版社 | 小学館 |
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初版年 | 2023年 |
ISBN | |
ページ数 | 272頁 |
サイズ | 19×13 |
対象年齢 | 13歳から |
キーワード | 友だち、イタリア、異文化交流、恋 |
- 2023
- 272 pages
- 19×13
- Ages 13 +