なりたいわたし(読みもの)
『なりたいわたし ものがたりの庭シリーズ』
千愛(ちなる)は、心の中で「キセキのカルテット」と呼ぶほど、同じ学年の愛空(あいら)ちゃん、麻央ちゃん、風翔(ふうか)ちゃんと、「学童クラブ・くれよん」で過ごす時間を大切に思っていた。とりわけ、かわいくてダンスもうまく、はっきりとものが言える愛空ちゃんにあこがれていたが、靴下に穴が空いているのを指摘してから、疎まれているのを感じてしまう。話はかみ合わず、学童へのバスでも置き去りにされ、ますます言いたいことも言えなくなってしまったある日、愛空ちゃんは劇団に、風翔ちゃんはスポーツクラブに、そして麻央ちゃんも塾に通うため、学童クラブは3 年生でやめると宣言されてしまう。
3人それぞれに将来の夢があるのに、自分には何のとりえもなく、何になりたいのかもわからない千愛。3人が学童からいなくなってしまうことにショックを受けるが、やがて、ひとりでも行動できるように、また、他の子たちとも関われるように変わっていこうと決心する。そんな子どもたちの日々のいざこざを見守り続けている学童の先生や、千愛をたよってくる下級生たちの言動も、少しずつ千愛に自信と勇気を与えていく。
時には感情的に言い合ったり、泣いてしまったり、手を出してしまったりしながらも、自分の気持ちを何とか言葉にして、わかり合おうとする子どもたちの日常がていねいに描かれている。(奥山)
出版社 | フレーベル館 |
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初版年 | 2022年 |
ISBN | |
ページ数 | 132頁 |
サイズ | 21×16 |
対象年齢 | 9歳から |
キーワード | 学童保育、友だち |
- 2022
- 132 pages
- 21×16
- Ages 9 +