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じゅげむの夏(読みもの)

最上一平 作 | マメイケダ 絵

カテゴリー: おすすめ!日本の子どもの本読みもの/chapter books and novels

『じゅげむの夏』

アキラ、山ちゃん、シューちゃん、かっちゃんは、天神集落に住む幼なじみの同級生4人組。たまり場は、落語家になるのが夢で「じゅげむ」が得意な、かっちゃんの部屋だ。かっちゃんは筋ジストロフィーで、だんだん動けなくなっている。やがて歩けなくなること、大人になっても長くは生きられないことを4人は知っている。
夏休み初日、かっちゃんの「四年生の夏休みを、最高の夏休みにしようよ」という言葉に、皆で冒険をしよう、と考える。最初の冒険では、クマを投げ飛ばしたという熊吉(くまきっ)つぁんの謎を探りに行く。ところが、クマに襲われたときの生々しい傷が頬に残る熊吉つぁんが、飼っているヒヨコに「ひよこちゃん」と呼びかける姿に拍子抜けする。7月最後の日、かっちゃんは天神橋からの飛び込みを決行する。それは、村の子どもの儀式だった。来年には飛べなくなるかもしれないから、と橋の上に立つかっちゃんを、3人は息をつめて見守る。8月、かっちゃんは、いかずち山の樹齢千年のおばけトチノキを見にいこう、と言いだす。3人はかっちゃんをねこ(手押しの一輪車)に乗せ、ガタボコの農道をふらふらと進む。ようやくたどり着いたトチノキの根元の大きな空洞の中で4人並んで寝転び、将来何になりたいかを語り合う。
未来の不安を考えるのではなく、今を懸命に生き、最高の時間をともに過ごす少年たちの姿がまぶしい。(汐﨑)

出版社 佼成出版社
初版年 2023年
ISBN
ページ数 128頁
サイズ 22×16
対象年齢 9歳から
キーワード 友だち、冒険、筋ジストロフィー、夏休み

  • 2023
  • 128 pages
  • 22×16
  • Ages 9 +