やまだめいたちの えにっき(読みもの)
『やまだめいたちの えにっき』
やまだめいが、宿題の絵日記に書くことがないので、誰かかわりに書いてくれないかなあと寝転んでいるうちに眠ってしまう。目をさますと、ノートに書いた覚えのない絵日記が書かれている。絵も字も自分が書いたのと同じだが、めいが昨日、食べたお菓子をこぼしたことや、それをアリが食べにきたこと、たまには外に行きおひさまの匂いを体につけたいなどと書いてある。誰が書いたのか、めいは不思議に思うが、内容からそれが座布団だと気がつく。次のページには、筆箱の中で寝転んでいたら消しゴムくんが外へ行ってしまったので、よけい暇だとか、時々お菓子を食べためいの手でべとべとになるなどと書いてあるので、書いたのは鉛筆かなとめいは思う。次は消しゴム、その次はぬいぐるみ、その次は鏡、窓と、めいの部屋のものたちが次々とめいの日常を絵日記に書いていたのだ。最後は葉っぱが1枚だけはさまれていて文字は何もない。これは風が書いたのかと、めいは思う。いったい誰が書いたのか、まるでなぞなぞを楽しむみたいに読んでいくと、書くことが何もないと思っていた一日に、こんなにいろいろなことがあったのだと気がつく。そこでめいが大きな紙に、昨日の朝から夜までのことを順に書き出してみたら楽しい双すご六ろくのようになった。視点を変えることによって、何もないと思っていた日常が豊かに浮かび上がってくることから、読者は日記を書くときのヒントがもらえ、日々が豊かに見えてくるに違いない。(野上)
出版社 | 理論社 |
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初版年 | 2022年 |
ISBN | |
ページ数 | 64頁 |
サイズ | 21×16 |
対象年齢 | 7歳から |
キーワード | 宿題、文房具、食べもの |
- 2022
- 64 pages
- 21×16
- Ages 7 +