ポーチとノート(読みもの)

『ポーチとノート』
高校2年生の未来(みく)は、机の引き出しにふたつのものを隠している。ひとつは、祖母のアサエさんが、10 歳の誕生日パーティーの時にプレゼントしてくれた、生理用ナプキン入りのポーチ。そして、もうひとつは、中学に入ったころから、日々の不安やイライラを詩のように書きつけてきた水色のノート。そんな未来が、夏休みに学校図書館に司書補のアルバイトにやってきた大学生の保坂さんに恋をする。ほほえんでいるようなやさしい口元の形がイルカに似ている保坂さんと、エスペラント語で交流するようになり、ひかれていけばいくほど、未来は、まだ一度も生理が来ていないという、身体の悩みを深めていく。
しかし、彼氏ができた親友の芽衣のさまざまな体験や、17 歳でシングルマザーになった祖母のアサエさんの自由な生き方に触れるうちに、未来はふたりに自分の恋や悩みを打ち明け、体のコンプレックスに向き合っていくようになる。
親や教師とはなかなか共有できない恋愛や性の悩みを、適確な情報と、ユニークな登場人物たちとのかかわりを通して、温かく描く。お互いを、そして自分を大切にしつつ、ゆっくり進んでいけばいいと思わせてくれる。(奥山)
出版社 | 講談社 |
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初版年 | 2021年 |
ISBN | |
ページ数 | 208頁 |
サイズ | 20x14cm |
対象年齢 | 13歳から |
キーワード | 生理、恋愛、家族、図書館 |
- 2021
- 208 pages
- 20x14cm
- Ages 13 +