18枚のポートレイト(読みもの)

『18枚のポートレイト―—柏葉幸子小品集』
東日本大震災を題材にした作品が2編、カッパや鬼、魔女など、不思議なモノが登場する作品が10 編、多様な家族のありようや人と人との関係を描いた作品が6編入った短編集。
「風待ち岬」は、少年が震災で行方不明になった父親を岬公園で待ち続ける物語。「お地蔵様、海へ行く」は、震災から1年後、転校する子どものお別れ会に来た少年が実はお地蔵様で、笑顔が戻ってきた町の子どもに別れを告げ、海にさらわれた子どもを見守りに行くという物語。
不思議なモノが登場する物語としては、少女が公園の雪だるまを病気の弟のために持って帰ると雪だるまたちが仲間を取り返しに来る「雪だるまがやってくる」、大坊峠で子どもに乳をやると山から赤ん坊がやってきて乳を飲むという言い伝えどおりのことが起きる「大坊峠の赤ん坊」などがある。
「海から来た子」は、菜の花畑で見つけられた幼い少女がある家族に迎えられる様子を描いた作品で、「ぞうぐみさん」は、ひとり暮らしの女性のところに毎晩幼児がやってくる。血のつながりだけではない家族のありようや、異界と現実の世界の境界のあいまいさや、異界の視点から人間を見るおもしろさが描かれている。また、著者の出身である東北の昔話が影響している作品もあり、風土の豊かさを感じさせる。(土居)
出版社 | 理論社 |
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初版年 | 2022年 |
ISBN | |
ページ数 | 224頁 |
サイズ | 19x14cm |
対象年齢 | 11歳から |
キーワード | 短編集、不思議、東日本大震災 |
- 2022
- 224 pages
- 19x14cm
- Ages 11 +