やまの動物病院(読みもの)

『やまの動物病院』
町はずれにある小さな「まちの動物病院」。小さな町なのでけがや病気でやってくる動物は少なく、獣医のまちの先生は猫のとらまると一緒にのんびり暮らしている。夜になり、まちの先生が眠りにつくと、とらまるが先生になって「やまの動物病院」に早変わり。コンコン咳が止まらない子ギツネ、穴の掘りすぎで手が荒れたモグラ、喉を傷めたカッコウ、木の実をつめすぎて口内炎になったリスなど、昼間とは打って変わって、次々と患者が訪れる。「やまの動物病院」を訪れる患者たちの症状は、それぞれの動物の特徴をふまえて考えられているのが楽しい。それを大真面目に治療するとらまる先生も愉快だ。
ある日、まちの先生のもとに歯がぐらぐらして痛がっている犬のジュリアが連れてこられるが、飼い主が抜くのをためらったため、ひと晩預かることに。その夜、「やまの動物病院」のとらまる先生のところに、ガラス瓶からあたまが抜けなくなったカモがやってくる。動物たちみんなで手伝って、瓶からカモのあたまを引っ張り出したどさくさにまぎれ、ジュリアの歯も無事抜ける。すべてのページに添えられたイラストは著者自身によるもの。登場人物たちの表情が生き生きして魅力的で、特にジュリアの歯が抜ける場面は必見。まちの先生ととらまるの穏やかな日常の様子もほほえましく、心が和む。(笹岡)
出版社 | 徳間書店 |
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初版年 | 2022年 |
ISBN | |
ページ数 | 64頁 |
サイズ | 22x16cm |
対象年齢 | 7歳から |
キーワード | ネコ、医者、動物病院 |
- 2022
- 64 pages
- 22x16cm
- Ages 7 +