朔と新(読みもの)

いとうみく 著/加藤健介 装画

カテゴリー: おすすめ!日本の子どもの本読みもの/chapter books and novels

『朔と新』(Saku to Aki)

バスの事故で失明し盲学校の寮に住んでいた18歳の朔(さく)は、1年ぶりに自宅に戻ってきた。事故の際バスに同乗していた15歳の弟・新(あき)は、事故は自分のせいだと思っており、好きな陸上をやめることで自らを罰していた。それを知った朔は、ブラインドマラソンを始めることにし、新に伴走者になることを頼む。運動が苦手な朔だったが、毎日走っているうちに少しずつ上達していく。また、新も朔に走り方を助言したり、マラソンの練習会の人たちと出会ったりして、走ることが好きだという気持ちを認めずにはいられなくなっていく。

ある日、練習で新が速く走りすぎたため朔が転んでけがをする。新は、朔を傷つけたくないので二度と伴走はできないと言うが、朔が、事故の後いかに苦しんだかを語り、新と走ることが「いろんなものを見せてくれる」と言うのを聞いて、一緒にマラソン大会に出ることを決意する。

まじめな朔と反抗的な新。兄弟にもともとあった気持ちと事故後の気持ちが章を追うごとに明らかにされていき、マラソンを通じてふたりの気持ちが、ぶつかったり、すれちがったりする様が巧みに描かれる。朔と事故前からつきあっていた梓や、朔の事故を新のせいだと責める母も描かれており、作品全体から人間関係の難しさと魅力が伝わってくる。視覚障害についてもていねいに描写されている。(土居)

出版社 講談社
初版年 2020年
ISBN
ページ数 288頁
サイズ 20×14
対象年齢 13歳から
キーワード 視覚障害 マラソン 兄弟

  • 2020
  • 288 pages
  • 20×14
  • Age 13 +

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