ガザでつづく子どもの権利の侵害について、IBBYが声明を発表

6月17日、84の国と地域が加盟するIBBY(国際児童図書評議会)は、ガザでつづく子どもの権利の侵害について、声明を発表しました。 
▶https://mailchi.mp/ibby/statement-on-the-ongoing-violations-of-childrens-rights-in-gaza?e=de1158f52a

 国際児童図書評議会(IBBY)は、国連が定めた人権条約、とくに子どもの権利条約を支持する機関として、すべての世界の指導者たちが、ガザの子どもたちのために協力することを求めます。
 第二次世界大戦を受け、国際理解は寛容と世界平和の必要条件だという、揺るぎない信念とともに、IBBYは誕生しました。質の高い児童書を普及させ、読書を推進していくなかで、たがいを尊重し、連帯し、協力しあうという理想を、IBBYは世界中の子どもや若い人たちに伝えてきました。
 IBBYは世界中の子どもたちのために、図書館を建て、読書プログラムを推進してきました。パレスチナ自治区のベイトハヌーンとラファの児童図書館も、IBBYが2008年に建設したものです。5千冊以上を所蔵するこの二つの図書館は、子どもたちが本を読み、思いをわかちあい、詩を書き、作家と交流する安らぎの場所でした。2021年にはラファのアルショカの図書館の若いメンバーが、ユネスコの「世界の物語」コンクールで受賞するといったこともありました。いまではこの2館も破壊されました。しかし、こうした文化的な幼年時代の財産の喪失は、パレスチナで起きている悲劇のほんの一部に過ぎません。
 わたしたちは、ガザでつづく暴力と破壊を目の当たりにしながら、殺され、傷つけられ、住む場所を追われ、親を奪われた子どもたちとその家族を前に、心を痛めているのです。混乱と混沌が日常となり、食料、水、避難所、医療援助など、人が生きるのに不可欠なものがないことを深く憂慮しています。
 世界のすべての子どもたちは、大切に守られ、育まれるべきです。わたしたちは、ガザで続いている子どもたちの基本的権利の侵害を強く非難します。ガザの人々への人道支援と救命物資の提供を求める緊急の声にIBBYも賛同し、共に声を上げます。さらに、イスラエルとハマスの指導者たちに、国際ルールと決議にしたがい、即時停戦を実行するよう強く要求します。

2024年6月17日
IBBY 国際理事会