ロシアのウクライナ侵攻を受け、IBBYが声明を発表

2月26日、79の国と地域が加盟するIBBY(国際児童図書評議会)は、ロシアのウクライナ侵攻を受け、声明を発表しました。▶https://www.ibby.org/news-calendar/latest-news

   

 歴史をふりかえると、いつの時代にも、戦争は罪のない人々、なかでも子どもたちを危険にさらしてきました。国の指導者の衝動的な行動によって最初に傷つき、長きにわたり影響を受けるのは、それとはまったく無関係の子どもたちです。戦時下の子どもが、身体的な傷はまぬがれたとしてもトラウマに苦しむのは、ご承知のとおりでしょう。安全や平和というものを突然失った子どもには、いつまでもトラウマがのこります。戦争は最大の破壊行為ですが、私たちは文学、とりわけ子どもの本は未来を変え、破壊ではなく話しあいの価値を次世代に伝えることができると信じています。

 主権国家であるウクライナにロシアが侵攻したことを、IBBYは深く憂慮しています。

 IBBYのウクライナ支部は1997年の加盟以来、積極的に活動をしてきました。IBBYは、キエフのアーセナル・ブック・フェスティバルに何度か参加し、そこで本の巡回展も行いました。

 私たちの思いは、子どもたちと本の出会いに尽力してきたIBBYウクライナ支部、アーセナル図書フェスティバルの友人や仲間とともにあります。

 私たちはまた、モスクワやサンクトペテルブルクでこの痛ましい状況に対応しようとしているIBBYロシア支部の友人や仲間たちのことも思い起こさなくてはなりません。

 なんの罪もないのに、この戦争で身体的にも精神的にも危機にさらされている子どもたちのことを、IBBYは第一に考えます。

 世界各地のIBBYの仲間たちは、現在の事態に心を痛めており、さらに多くの命が失われるまえに、国際人道法により平和が回復することを願っています。

 1953年、第二次世界大戦後の荒廃の中に生まれたIBBYは、子どもの本をとおしての国際理解をすすめようと、世界中で力をつくしてきました。子どもたちが苦しい状況に置かれたとき、特に危機的状況下の子どもとその家族のために働く人たちを、私たちは協力して支援します。

2022年2月26日
IBBY