【報告】IBBY会長来日記念講演会

バサラット・カズィムIBBY会長

 韓国スウォンでのIBBY地域大会の後、IBBY(国際児童図書評議会)会長、事務局長が来日し、9月3日(水)に来日記念講演会を行いました。

 「困難な世界の中で〜子どもの本ができること〜」と題した講演では、バサラット・カズィム会長より、IBBYが第二次大戦後のドイツでユダヤ人ジャーナリストのイエラ・レップマンにより創設されたこと、子どもの本が平和の架け橋となるという創設以来の信念を受け継ぎ行っている活動として、紛争や自然災害により心に深い傷を負った子どもたちを本を通じ支援する「チルドレン・イン・クライシス」の取り組みが紹介されました。

 特に、ガザ地区にIBBYが設立した図書館が2023年に爆撃により破壊されたことを受けて、昨年、IBBYとIBBYパレスチナ支部がStory Sunbirdsとともに立ち上げた、緊急支援キャンペーン「図書館は避難所」の報告がありました。

 また、カロリーナ・バリェステル事務局長からは、IBBYの現在の活動全般から、2025年新たに立ち上げた取り組み、来年のカナダのオタワで開催される世界大会の予定まで、そしてJBBYの50年の歩みとこれからの50年に期待することなどをお話しいただきました。

 さいごに会長より、数日前に終了したばかりの韓国・スウォンでの地域大会が素晴らしく、希望に満ちた気持ちできましたとうかがいました。

 講演会の後は、参加者とのささやかな懇親会をもうけ、交流しました。

カロリーナ・バリェステル事務局長
左:IBBY事務局のアレサンドラさん
左:宇野和美JBBY会長

 IBBY事務局のアレサンドラさんは日本語が堪能で、今回の来日中、通訳としてもサポートくださいました。お三方のあたたかなお人柄と、会長、事務局長の力強いお話に、子どもの本の力への信頼と希望を改めて感じることのできる機会となりました。

 ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。

 当日は会場設備にハプニングがあり、参加者のみなさまにご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。また、童心社のみなさまのご尽力により無事開催できましたことに心より御礼申し上げます。

(報告:和田直)