わたしたちだけのときは（絵本・原作カナダ）

『わたしたちだけの ときは』

おばあさんは孫娘に、子どもの時、家族から離されて寄宿学校に集められ、服装も髪型も、そして言葉も強制的に変えさせられたと語る。それでも、自分たちだけのときはクリー語を話して母語を忘れないようにしたという。孫娘の素朴な問いかけから、先住民族を白人社会に溶け込ませようとしたカナダの同化政策の歴史が語られる。彼らが、過去を乗り越え、民族の誇りを持って生きる姿は、次の世代の希望につながるだろう。（神保）