ぼくを飛ばして(フランス・絵本)
Envole- moi
2019_理解を深める本
『ぼくを飛ばして』
10 代の若者らしい恋を描いた小説。15 歳の少年スワンの初恋が、一人称でみずみずしく語られます。スワンの恋の相手は、下半身不随のジョアンナ。ジョアンナは、多くの人が障害者に対して思い描く固定観念に当てはまらないような女の子です。スワンとジョアンナは、障害が自分たちの恋愛の妨げにならないかどうか、うまく付き合っていけるかどうかを確かめ合います。こうしたやりとりを通して、ふたりはお互いを深く理解し、心を通わせていきます。
障害は、この物語の中心でもなければ、物語を複雑にするための添えものでもありません。それは単に、主人公のふたりが、真剣に取り組まなくてはならない目の前の現実のひとつなのです。彼らの間に生じる緊張感には説得力があり、恋の親密さにかかわる描写からは、ふたりがまっすぐな気持ちで丁寧に向き合っている様子が伝わってきます。この心に残る美しい初恋の物語は、すべての若い読者から共感を得ることでしょう。
出版社 | Casterman |
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初版年 | 2017年 |
ISBN | 978-2-203-12221-5 |
ページ数 | 261頁 |
サイズ | |
対象年齢 | |
キーワード |
Envole- moi
- 2017
- 261 pages
- ISBN 978-2-203-12221-5