アンネの日記（イタリア・絵本）

2019_特別な配慮のある本

『アンネの日記』

絵文字つきの本　アンネ・フランクが日記に遺したホロコーストの体験は、世界じゅうの人びとにとって、初めてホロコーストを学ぶために欠かせません。本書は、「アンネの日記」を20 章にまとめ、Widgit という絵文字で翻訳した初めての作品です。知的障害や学習障害がある子どもにも読める言葉で書かれた、新しい形の本になりました。絵文字への翻訳は、簡潔さを心がけながらも、できるだけ原作に忠実にしているため、アンネの言葉の力は健在です。コラージュによる絵は、アンネの感情や体験を抽象化して表現しています。
　絵文字で書かれる本の多くは、幼い子ども向けに作られます。けれども、本書はそうした幼児向けの本ではなく、障害のある若者が、同世代の仲間と同じ本を楽しめるように配慮されました。文章から絵文字への翻訳は、障害のある人とそうでない人との共同作業で行いました。