ウマ、ウマ、トラ、トラ（デンマーク・読みもの）

2017_理解を深める本

『ウマ、ウマ、トラ、トラ』

　ホーネイの毎日は、抑圧され、みじめなものでした。父親は必要なときだけ金をせびりに来るならず者で、母親は生計を支えるため仕事に追われています。姉は、生まれたときに負った脳の損傷により、自分のことで精一杯。ホーネイ自身も口蓋裂のハンディを負っていますが、逆境にくじけず、家族の力になれるように、困難な状況に挑み続けます。そんな中、ホーネイがついた何気ないウソが偶然の出会いをもたらし、新たな可能性の扉を開きます。末期症状の病気を患い、ホスピスで暮らすマーシャルという男性と知り合ったのです。八方ふさがりの状況で、マーシャルはホーネイに、人生を正面から受け止められるような励ましと勇気を与えてくれました。この本のタイトルは、「必ずしもよいこととはいえないが、もっと悪いことも起こりえた」という意味の中国のことわざです。