カルヴィン(カナダ・読みもの)
Calvin
2017_理解を深める本
『カルヴィン』
17歳の少年カルヴィンが、自分の統合失調症が原因で起こったできごとを語ります。幻覚にとりつかれたカルヴィンは、自分と同じ名前のキャラクターが登場する新聞連載漫画の作者にどうしても会わなくてはならないと思いこんでしまいました。カルヴィンの衝動的であぶなっかしい旅に、次第に読者は惹きこまれていくことでしょう。漫画家のもとへ行くため、カルヴィンは冬のさなかに、凍りついた大きな湖を歩いて渡ることになります。語り手がカルヴィン自身であるため、現実と幻覚の境い目はうまくぼかされています。カルヴィンは、自分で自分の思考をコントロールできないという事実におびえるいっぽうで、自分の脳が独自の「心」や「意思」を持っているという考えにとらわれてしまいます。氷の上を歩いて渡ろうとするカルヴィンに、友だち思いの友人がついてきてくれました。その友人のおかげで、カルヴィンはやがて、病気にふりまわされるのではなく、自分が病気をコントロールしなければならないのだと悟ります。この奇妙な旅の終わりは、同時に、もっと現実的な目標を持った新たな旅の始まりでもありました。そして、次の旅のゴールは、心の健康をとりもどし、現実世界にあらためて自分の居場所を見つけることにあります。
出版社 | Groundwood Books |
---|---|
初版年 | 2016年 |
ISBN | 978-1-55498-720-7 |
ページ数 | 224頁 |
サイズ | |
対象年齢 | |
キーワード |
Calvin
- 2016
- 224 pages
- ISBN 978-1-55498-720-7