ヴィオラと暮らす(カナダ・読みもの)
Living with Viola
IBBYバリアフリー図書2023_障害が描かれた本
『ヴィオラと暮らす』
低所得の中国系移民の家庭に育つリヴィーは、学校での人間関係や家族の期待という重圧から、不安に悩まされています。不安はヴィオラという名の影となり、リヴィーの生きる力をむしばんでいきます。好きなことで気をまぎらわせようとしても、日に日に強まるヴィオラの影響をコントロールできません。ついにリヴィーは両親に相談し、専門家に助けを求めて、パニック障害や不安への対処法を学びます。
作者は様々な手法で、リヴィーの感情の変化を読者に伝えます。色使いはリヴィーが楽しい気分のときには明るく、ヴィオラが出てくると暗く単調に変わります。手書き文字が多用され、ページを埋めつくすヴィオラの言葉はその圧倒的な影響力を視覚的に表しています。母親が専門家の支援を受けることに踏みきるまでの葛藤からは、人種や社会的な階級と心の病気との関係がうかがえます。頭の中で聞こえる声と闘い、前に進もうとする少女の姿を巧みに描いた10 代前半向けのグラフィックノベル。
出版社 | Annick |
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初版年 | 2021年 |
ISBN | 978-1-77321-548-8 |
ページ数 | 272頁 |
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対象年齢 | |
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Living with Viola
- Fung, Rosena
- Annick
- 2021
- 272 pages
- ISBN 978-1-77321-548-8