近未来の少女(オーストラリア・読みもの)
Future Girl
IBBYバリアフリー図書2023_障害が描かれた本
『近未来の少女』
近未来が舞台のYA 小説。16 歳の少女パイパーは、幼いときに耳がほとんど聞こえなくなりましたが、母親が「普通」でいてほしいと願ったため、手話の代わりに補聴器を使いながら人の口の動きを読みとり、自分の声で話すように育てられました。あるときパイパーは、青年マーリーとその母ロビーに出会います。ロビーは生まれつき耳が聞こえず、もっぱら手話で会話します。この親子は環境活動家で、パイパーに地域に根ざすコミュニティーガーデンの作り方を教えてくれ、パイパーの視野を広げてくれました。
主人公の日記という形式をとったこの物語は、作者の経験にもとづいて書かれています。主人公のアート作品として挿入されたイラストも、作者自身が手がけたものです。聞こえる人が中心の社会で生きるパイパーのストレスや孤独を、読者はリアルに感じとることでしょう。聴覚障害にもさまざまなケースがあると知ったパイパーの意識の変化は、 自身の過去の日記のdeaf(聴覚障害)をDeaf(ろう)に訂正していることからも伝わってきます。
出版社 | Allen & Unwin |
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初版年 | 2020年 |
ISBN | 978-1-76029-437-3 |
ページ数 | 384頁 |
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対象年齢 | |
キーワード |
Future Girl
- Asphyxia
- Allen & Unwin
- 2020
- 384 pages
- ISBN 978-1-76029-437-3