クッキーづくりの仕事　洋美さんの1 日（日本・読みもの）

IBBYバリアフリー図書2023_誰もがアクセスできる本

『クッキーづくりの仕事　洋美さんの1 日』

　洋美さんはグループホームで暮らし、クッキーを作る仕事をしながら、ヘルパーの資格を取るための学校に通っています。洋美さんの幸せで忙しい日常とともに、知的障害や発達障害のある日本人が利用できる支援制度や機会についても、具体的にわかる内容になっています。
　本書の体裁はアクセシブルで、障害を尊重した表現が使われています。簡単な文章と短い段落で構成され、読書の初心者にも読みやすくなっています。各ページには、洋美さんの写真とともに、文章を端的に示す単語と絵文字（ピクトグラム）が掲載されています。グループホームには自分だけの居場所があり、自力で職場や学校に通っていることや、洋美さんが自立していることがわかります。
　ニューロダイバーシティや発達障害のある多くの読者は、手順や場所や時間がきちんと定められた洋美さんの日課になじみがあるでしょう。ほかの読者は、このような日課のおかげで一日を安心して快適に過ごせる人たちがいることがわかるでしょう。さらに、クッキー作りを楽しむこともできます。誰にでもやさしく読めるLL ブックの「仕事に行ってきますシリーズ」第１巻です。