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どすこい!(読みもの)

森埜こみち 作 | 佐藤真紀子 絵

カテゴリー: おすすめ!日本の子どもの本読みもの/chapter books and novels

『どすこい!』

6年生の凡は相撲が大好きだ。綾瀬小でいちばん体重が重く、去年の秋の学校対抗の相撲大会に、副将として出場して団体優勝した。ところが今年の春の個人戦では、高砂小に転校してきた6年生の真壁豪にあっさり負けてしまう。豪は3人兄弟で、5年と3年の弟たちといっしょに東京の相撲道場に通っていたという。これでは秋の団体戦で優勝できない、と焦っていると、相撲仲間の健太が、近くの駄菓子屋「わしや」のじいさんは元力士だったが、ケガでやめたということを聞きつけてくる。
夏休み、凡と健太はわしやに相撲を教えてほしいと頼みに行くが、相手にされない。店に入り、駄菓子を買ってしつこく頼むと、ようやく「四股(しこ)踏んでみろ」とひと言。やってみせたがそれ以上は教えてくれない。神社の境内で四股を踏む練習をしては、わしやに何度も足を運ぶと、じいさんは少しずつ基本を教えてくれるようになった。相撲の基礎を知り、真剣に取り組むと、いろいろなことが見えてくる。ふたりは必死に練習を重ね、いよいよ秋の大会を迎える。そして決勝戦で豪を投げ飛ばした後に、凡はじいさんの姿を観客席に見つける。真正面から相撲に挑戦する少年の成長ぶりがたくましく、すがすがしい。大好きな相撲をあきらめざるをえなくて、かたくなになっていた老人の変化も心に残る。相撲のおもしろさ、奥深さも伝える作品。(汐﨑)

出版社 国土社
初版年 2023年
ISBN
ページ数 192頁
サイズ 20×14
対象年齢 11歳から
キーワード 相撲、勝負、挑戦、友情、夏休み

  • 2023
  • 192 pages
  • 20×14
  • Ages 11 +