ナナカラやまものがたり 全３巻（読みもの）

『ナナカラやまものがたり １～３　くまおばあちゃんのジャム 他』

ナナカラやまに住む動物たちが語る形の幼年童話集。
第１巻「くまおばあちゃんのジャム」は、くまおばあちゃんがジャムを作るために、孫といっしょに森へ行き、野イチゴを摘む。次に、ミツバチからハチミツをもらい、そのお礼として「はなひつじやま」の名前の由来を語る。おばあちゃんは帰宅してジャムを作り、夜、孫のために、たぬきの娘さんがおばあちゃんからもらったナッツをひとりじめしようとして災難に遭った話を語る。
第２巻「ねこのかぞくのおはなし」は、ネコの父さんが家族のために秘密で新しい家を建てるストーリー。父さんと５匹の子ネコは、泉へ水くみに行き、「ながれもののねことみずのかみさま」という、水を粗末に使ったネコが水の神様に罰を与えられた話を、父さんが語る。
第３巻「コジュケイふうふのちいさないえ」は、コジュケイ夫婦の家にカナヘビちゃんとボーイフレンドのトカゲくんが遊びにきて、カナヘビちゃんが忘れ物をしてイヌのおばさんに助けてもらった話をする。また、コジュケイじいさんは、今住んでいる家をどうやって作ったかという話を語る。それから、みんなでナナカラやまのお祭りへ行き、コジュケイじいさんが、ナナカラやまの名前の由来を語る。すべてのページに著者によるカラーの絵があり、山に暮らす動物たちがお話や食べものを分かち合い、自然とともに豊かに生きる姿がいきいきと描かれている。（土居）