急変(ドイツ・読みもの)
Der Umfall
IBBYバリアフリー図書2021_ポートレイト
『急変』
主人公の青年ノエルの人生は、母親が脳卒中に見舞われたことで、突然大きく変わりました。ダウン症のノエルはひとりで生活できないので、知的障害者たちと一緒に福祉村で暮らすことになりました。そこで新しい活動に参加し、友だちをつくり、恋をします。
この本は、ドイツで創立150 周年を迎えた福祉村ノイエルケローデの歴史を描いています。著者は福祉村を運営する事業団の依頼を受けて、この村に2 年間滞在しました。その体験から生まれた物語です。村人の生活、会話、表情、考えかたが、グラフィックノベルの表現をとおして、生き生きと伝わってきます。例えば、たびたび登場するイルマは、ナチス時代、安楽死プログラムのための障害者追放計画があった頃、この村に住んでいました。イルマはノエルに自分の過去を語ります。
これまで語られることの少なかった人びとの生活が、魅力的なキャラクターをとおして、テンポよく描かれています。障害の有無にかかわらず、多くの読者に人間の在りかたを力強く訴えかける画期的な作品です。
出版社 | avant-verlag |
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初版年 | 2018年 |
ISBN | 978-3-945034-94-1 |
ページ数 | 128頁 |
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Der Umfall
- Ross, Mikael
- avant-verlag
- 2018
- 128 pages
- ISBN 978-3-945034-94-1