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こくん(日本・絵本)

文:村中李衣|絵:石川えりこ

カテゴリー: IBBYバリアフリー図書絵本/picture books

IBBYバリアフリー図書2021_ポートレイト

『こくん』

子どもたちが園庭で走りまわって遊ぶ中、主人公のちさとは歩行器を使って歩きます。やんちゃ坊主のしゅんは、「それ(歩行器)じゃまじゃないんか?」と、ちさとにたずねます。やがてしゅんは、ちさとが自ら課題をなしとげたいと決意を示すとき、大きく「こくん」とうなずくことに気がつきました。歌の会ではステージに上がるための3 段の階段を、休み時間にはすべり台の階段を、ちさとは腕を使ってのぼりきります。しゅんはちさとをはげましながら、見守ります。ふたりは一緒にすべり台をすべりおり、友だちになっていきます。
 全体が抑えられた色調の中、ちさとが挑戦をしたいもの、あるいはそれを成し遂げたものはしっかり黄色でえがかれています。ちさとは「こくん」とすることで、手助けなしで自らやってみたいという意思を伝えています。この絵本は、様々な能力をもつ子どもたちが、必要なときにどうやって支援してもらえればいいか、その方法を示しています。自分で課題をなしとげたいと行動している場面は、周りの人が見守ること、手助けをする前にまず子どもたち本人の意思を尊重することの大切さを話し合うきっかけにもなるでしょう。

出版社 童心社
初版年 2019年
ISBN 978-4-494-01631-0
ページ数 34頁
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  • 2019
  • 34 pages
  • ISBN 978-4-494-01631-0