イリジウム(スペイン・読みもの)
Iridium
IBBYバリアフリー図書2021_ポートレイト
『イリジウム』
交通事故の後、7 か月の昏睡状態から目覚めたイリスは、脳挫傷により記憶を失い、車いすが必要な体になりました。イリスは、自分は事故前と同じと感じていますが、友だちは彼女にどう接したらよいのかわかりません。イリスは、転校生のマリオと関わることでなぐさめられ、インスタグラムを通じて外の世界とつながっていきます。オンライン上の自分をつくりあげると、人が自分を見る目をいくらかコントロールできるようになりますが、一方で、「わたしは普通なのに。普通に接してよ」と、いらだちも抱えることになります。
物語は全16 章からなり、絵文字、SNS、メッセージが盛り込まれ、話し言葉の一人称語りで進みます。テンポのよい文体は、高次脳機能障害や学習障害をかかえる10 代の読者に読みやすく、主人公と同じ世代の読者にも共感されるはずです。著者は〈脳損傷支援連盟〉と〈ガリシア脳損傷連盟〉でこの物語のような実体験をもつ若い女性とともに働き、その経験をもとに、このリアリティのある楽しい小説を書きあげました。
出版社 | Editorial Galaxia |
---|---|
初版年 | 2019年 |
ISBN | 978-84-9151-193-9 |
ページ数 | 108頁 |
サイズ | |
対象年齢 | |
キーワード |
Iridium
- Castro, Francisco
- Editorial Galaxia
- 2019
- 108 pages
- ISBN 978-84-9151-193-9