野の白鳥（ハンガリー・絵本）

IBBYオナーリスト2020\イラストレーション作品

『野の白鳥』

ハンス・クリスチャン・アンデルセンの「野の白鳥」は、悪い女王に呪いをかけられた11人の王子たちを、妹の姫が救い出す物語。1838年に初めて発表されて以来、これまで多くの再話として、またバレエ、テレビ番組、映画などの形となって生まれかわった。ロジ・ベーケーシュは、この古典をアールヌーヴォー様式のモノクロで表現した。精密な描きこみと凝った飾り縁が、独特の雰囲気を醸しだしている。

＊画家について　モホリ＝ナギ芸術デザイン大学でブックアートを学び、2017年に美術の博士号を取得。イラストレーター、イラストレーション教師、講師、グラフィックデザイナー。グリム童話、プーシキン作品、『不思議の国のアリス』、ヘニング・マンケル作品などの挿し絵を手がけた。彼女の線画と透明水彩画は、魔法がかかる瞬間や、登場人物のさまざまな感情の襞を見事にとらえている。作品に「年老いた靴屋」（2013）、「震える王」（2014）などがある。アニメーション製作も手がけ、「トラム」で2011年ハンガリー映画批評家賞を受賞した。