パパがちぢんでいく（クロアチア・絵本・クロアチア語）

IBBYオナーリスト2020_イラストレーション作品

『パパがちぢんでいく』

成長というテーマを軽妙に描く一方、死という問題にも意欲的かつ慎重に取りくんでいる。少年は父親との絆の深まりについて語るうち、自分が年齢を重ねて体が大きくなるにつれて、父は体が小さくなっていくことに気づく。そこで、父の体が縮んでいく未来を、あれこれ想像しはじめる。やがて自分も父親になり、いつか、父は目に見えないほど小さくなってしまうだろう。そうしたら、少年は心のなかにずっと父をしまっておけるのだ。イラストレーションはデジタルで描かれている。

＊画家について　ザグレブ生まれ。ザグレブの美術学校で絵画を学ぶ。アルバイトで絵を描くうちに、イラストレーションに本気で向きあうようになる。作品には、さまざまなメディアと技術を実験的に取り入れている。イラストレーションを担当した作品に、「エスペレル：ちょっと不思議な町」（2006）、「デイジーの石けりあそび」（2009）、「動物がみんなあつまって、たのしいな」（2018）、「ジャパジャパック」（2019）などがある。