コオロギの立ち直り(スロベニア・読みもの)
Čriček in temačni občutek
IBBYオナーリスト2020_イラストレーション作品
『コオロギの立ち直り』
憂鬱をテーマにした作品であるものの、オランダ人作家トーン・テレヘンの他の作品同様、奇抜なアイデア、哲学的な縮図、不条理な喜劇によって、ユーモアを含んだ魅力的な作品に仕上がっている。最後、コオロギが暗い気持ちから抜け出せるかどうかは読者の判断にゆだねられている。モノクロのイラストレーションからは、登場人物の心の機微が細かく読み取れ、また、どの絵も大胆かつ巧みに構成され、繊細な陰影がつけられている。わずかな目の表情から、見開き2ページを使った宙返りまで、登場人物は体を使って巧みに自分たちを表現しており、そのすべてが自然で、かつ重要な意味を提示している。
*画家について 1970年生まれ。1997年、リュブリャナ大学美術アカデミーを卒業後、米国とフランスにて専門性を高める。「ちょうどいい大きさ」(2007)等で、3度オリジナル・スロベニアン・ピクチャーブックにノミネートされた。2019年には、本作でレフスティク賞イラストレーション部門を受賞。本作は、第4回ナミコンクール及び2019年ボローニャ国際児童図書展でも大きな話題となった。
出版社 | Mladinska knjiga |
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初版年 | 2017年 |
ISBN | 978-961-01-4566-0 |
ページ数 | 183頁 |
サイズ | 22×15 |
対象年齢 | 14歳から |
キーワード | 憂鬱、悲しみ、友情 |
Čriček in temačni občutek
- Ill. Ana Zavadlav | Original:Toon Tellegen
- Mladinska knjiga
- 2017
- 183 pages
- 22×15
- ISBN 978-961-01-4566-0
- Ages 14 +