プーカのパーティ（アイルランド・絵本・英語）

IBBYオナーリスト2020_イラストレーション作品

『プーカのパーティ』

ケルトのむかし話でおなじみの、変幻自在の妖精プーカの話。プーカはひとり暮らしを楽しんでいるが、ある日ふと、友だちが恋しくなってパーティを開く。けれども、盛りあがりすぎたため眠っていた月をおこしてしまう。デザイン、文章、イラストレーションのすべてがうまく調和した作品。細部まで丹念に描きこまれたイラストレーションは、手描きとデジタルを併用して制作したもの。鉛筆で紙に下描きして色をつけ、コンピューターのレイヤー機能を使用して仕上げる。明暗を巧みに使った躍動感のある絵のそこここに、本文にはない楽しい物語が描かれている。淡い色調のモダンな色使いで、個性あふれるパワフルな妖精たちが描かれ、文章にはケルトの明るく軽快なリズムが感じられる。

＊画家について　スコットランドのアバディーンシャー生まれ。エジンバラ・アート・カレッジでアニメーションを学ぶ。本作で絵本作家としてデビューした。イェイツの作品に挿し絵を描いた「月はまわった」（2016）が2017年、本作が2019年のブラチスラバ世界絵本原画展出展作品に選ばれた。