IBBYチルドレン・イン・クライシス「ベネズエラ大地震への緊急募金」

 7月2日、83の国と地域が加盟するIBBY(国際児童図書評議会)は、6月24日に二度にわたる大地震にみまわれたベネズエラの子どもたちを子どもたちを支援するため、世界中へ募金を呼びかけました。

 IBBYは、2004年のスマトラ島沖地震被害を機に CHILDREN IN CRISIS(チルドレン・イン・クライシス=危機的状況にある子どもたち)を立ち上げ、災害、戦争、紛争など危機的状況にある子どもたちに本を通じた支援を行うための、国を越えた募金活動を行ってきました。集まった寄付金は、現地のIBBY支部や信頼できる関連団体に送られ、本の力で子どもたちに安らぎを届ける活動を支えます。2011年の東日本大震災では日本も支援を受けました。

IBBYチルドレン・イン・クライシス

ベネズエラ:生きるための読書プロジェクト

IBBYプレスリリース、2026年7月2日

 2026年6月24日、マグニチュード7.5と7.2の2度にわたる大地震がベネズエラの首都カラカスと沿岸部のラ・グアイラ州を襲い、壊滅的な被害をもたらしました。6月29日時点の報告によると、1,700人以上が死亡し、さらに数千人が負傷、行方不明、または避難を余儀なくされています。住宅、学校、地域インフラの破壊により、生存者たちは深い精神的ショックと身体的な脆弱性に直面しています。

 子どもやその家族への影響は深刻さを増しており、人的被害は拡大し続けています。国連児童基金(UNICEF)の推計では、この大災害により68万人以上の子どもたちが人道支援を必要とすることになります。このような壊滅的な状況下において、日常や安全、そして家を失うことは、目に見える身体的な必要性をはるかに超えて、子どもたちの内面を激しく揺るがします。生活の基盤が脅かされ、避難生活を強いられるトラウマに対処するためには、子どもたちが悲しみを処理し、混乱を理解し、想像力という安全な場所を通じて自分自身の物語を紡ぎ直せるよう、緊急の心理社会的ケア(サイコソーシャル・サポート)が必要です。

IBBYチルドレン・イン・クライシス
ベネズエラ「生きるための読書プロジェクト2026」

 この深刻な危機の最中、IBBYベネズエラ支部であるバンコ・デル・リブロ(Banco del Libro:本の銀行)の仲間たちは、広範囲にわたり破壊された現地でただちに活動を開始しました。彼らは、ラ・グアイラ州とカラカス市内の被災した7つのコミュニティにおいて、長年培ってきたプロジェクト「生きるための読書(Reading to Live)」を緊急に再始動させています。バンコ・デル・リブロの専務理事マリア・ベアトリス・メディナは、生き延びるための文学の極めて重要な役割について、次のように訴えています。

ここで提供される文学は、単なる娯楽ではありません。生き残り、寄り添い、そして個人と社会を再建するための不可欠なツールなのです

Mediators train before being deployed in Caracas ©️ Banco del Libro 2026

 これまでも世界的に高く評価され、応用されてきたこのプロジェクトは、子どもや若者、教師、コミュニティのリーダーを含む、約840人の受益者に直接支援を届けることを目指しています。具体的には以下の活動を展開します。

  • 心理社会的トレーニング(サイコソーシャル・トレーニング)
    ボランティアや読書推進員が自身の情緒的影響をコントロールし、被災者の心のケアの場を円滑に運営できるよう準備するための導入ワークショップ
  • おはなしの時間
    避難所やテントで子どもや大人を対象に定期的な集まりを開催。物語の力を通じて、感情を解放し、親密な心の交流が生まれる場を作ります
  • 移動式ブックバッグ(巡回文庫)
    厳選された絵本や読みものが入った、耐久性と防水性に優れた14個のバッグを準備。避難生活を送る家族や仮設教室の間で巡回させます
  • クリエイターに会おう
    作家や画家を招いた特別イベントを開催。過酷な避難生活の日常にひとときの変化をもたらし、コミュニティの絆と信頼関係を強化します
  • 表現キット
    子どもたちが絵を描いたり文字を書いたりして、創造的な表現を通じてトラウマを処理できるよう、700冊のノートとクレヨンを配布します

 この極めて重要なプロジェクトを実施するために必要な総資金は13,570 米ドルです。この予算には、不可欠なスタッフの人件費、アクセスが困難な避難エリアへ赴くための物流費、読書療法(ビブリオセラピー)に適した490冊の質の高い本の調達費、そして読書スペースを維持するための資材費が含まれます。皆様からのすべての寄付は、最初の緊急局面が過ぎ去った後も、長期にわたって地域が自ら回復していく力(レジリエンス)を支える地域の人々のネットワークを構築するために直接役立てられます。

IBBYのサイトから寄付できます。
(1)DONATED BY CREDIT CARD(クレジットカード決済)
(2)DONATED BY BANK TRANSFER(銀行間国際送金:寄付額を申請するとIBBYから請求書が届きます。それをもとに銀行から国際送金してください。手数料が高額なのでご注意ください)
(3)DONATED BY PAYPAL(PayPal:アカウントをお持ちでない方は登録が必要です)
いずれかが選択できます。寄付の目的に #Venezuela とご記入ください。

Volunteers read with displaced children in Caracas ©️ Banco del Libro 2026

私たちの使命を果たすための呼びかけ

 国連の「子どもの権利条約」は、すべての子どもに対して、保護、教育、そして休息の権利を保障しています。しかし、自然災害の直後において、これらの権利は重大な危機に瀕します。IBBYは、すべての子どもたちが、心の避難所となり、現実から少し距離を置いた癒やしの可能性をもたらしてくれる「物語」にアクセスする権利を守るために尽力し続けます。

 私たちは、ベネズエラの人々、そしてバンコ・デル・リブロの仲間たちに、心からの連帯の意を表します。マリア・ベアトリス・メディナが語るように、この活動は、地域に深くかかわり、じっくりと耳を傾けることから生まれるものです。

本は架け橋となりますが、自分たちが本当に必要としている空間、困難を乗り越えて元気を取り戻すための居場所は、そこで生きる人々の力や、周りの環境が作り上げていくものなのです

 私たちは、IBBYコミュニティの仲間に、ベネズエラのための緊急募金へのご協力をお願いいたします。皆様のご支援が、最悪の状況に直面している子どもたちに、物語がもたらす心の慰めを届ける力になります。

連帯の想いをこめて
IBBY(国際児童図書評議会)