待っていたのは きみじゃないけど(フランス・絵本)
Ce n'est pas toi que j'attendais
カテゴリー: IBBYバリアフリー図書、絵本/picture books
2019_理解を深める本
『待っていたのは きみじゃないけど』
漫画家のファビアン・トゥールムによるグラフィックノベル。作者の、娘ジュリアが生まれてからの体験が描かれています。ジュリアがダウン症と診断された時、ファビアンは自分の中にある障害者への後ろ向きな考え方に向き合わなくてはなりませんでした。最初は、自分は娘を愛することができないのではないかと苦しみます。けれども、ジュリアと過ごし、ダウン症について学んだり、ほかの人に助けてもらったりするうちに、ファビアンの心は徐々に和らぎ、ジュリアを受けとめ、愛するようになります。障害を否定し避けたいという気持ちから、愛情をたぐり寄せていくまでの、ファビアンがたどった苦難の道のりに、読者は深く共感するでしょう。
ファビアンは、自分の体験を率直に、そしてユーモアを交えて語ります。抑えた色調のイラストレーションは、彼の内面の不安を物語り、コマ割りの画面は、物語を先へ先へと読ませます。ゆるやかな雰囲気の線画は、物語の重要な要素でもある、のどかさと朗らかさを補っています。
出版社 | Delcourt |
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初版年 | 2014年 |
ISBN | 978-2-7560-3550-5 |
ページ数 | 243頁 |
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Ce n'est pas toi que j'attendais
- 2014
- 243 pages
- ISBN 978-2-7560-3550-5