胡同のおとぎばなし（中国・読みもの）

2019_理解を深める本

『胡同のおとぎばなし――わたしの北京』

　北京の胡同を舞台に、少女の日々の小さな喜びや、奇想天外な冒険譚をいくつか収録しています。身体に障害のあるユアンは、大好きなおじいさんと幸せに暮らしていました。最初のお話では、ユアンは、練習するプールもないのに、スペシャルオリンピックの水泳競技に挑戦したいとがんばります。ユアンが目標を持つようになったのは、ユアンの祖父が、ユアンに夢を叶える喜びを教えたからでした。ほかのお話では、ユアンが不思議な少年と一緒に昆虫の国を旅したり、時空を超えておばあさんに会いにいったりします。
　コミックのような体裁は、明るいインクと水彩の色を際立たせ、読者をファンタジーの世界へと引き込みます。子どもの読者たちは、身近なところにたくさんの不思議を見つける、元気いっぱいのユアンから大きな刺激を受けることでしょう。