こころの静けさ（イギリス・絵本）

2019_共にたのしめる本

『こころの静けさ』

　重い学習障害のある、北アイルランドのグレンベアー学校の生徒たちと、ベルファスト市の創作文芸講座「闘う言葉たち」の共同作業から生まれた本です。障害の不安を解消するためのワークショップに参加した後、そこで学んだことをほかの人とも共有するために作られました。「吸って、吐いて」というくり返しによって、心身のリラックスを獲得する内容となっています。大きな太い文字に、絵文字（PCS:picture communication symbols）が添えられ、プラスチックブロックの写真が、指示を視覚的に表しています（注）。くり返し伝えられる指示は、ストレスを感じないよう配慮され、絵はくっきりとしていて、子どもたちがすぐに認識できるよう工夫されています。障害の有無にかかわらず、子どもや10 代の若者が実践的に活用できる本になりました。

（注）学習障害や発達障害がある人たちには、言葉による指示が理解しづらいという認知特性がある場合が多い。