流れをさかのぼって（イタリア・絵本）

2019_特別な配慮のある本

『流れを さかのぼって』

やさしく読める本　1924 年のパリ五輪で金メダルをとった、アメリカの女性水泳選手ガートルード・エーダリの実話です。ガートルードの従妹エミリーの視点で語られます。エミリーは、家族に反対されながらも、ガートルードに憧れて水泳に打ち込みます。逆境にめげず、努力を続けることの大切さが、ふたりの女性を通して描かれています。ガートルードは、1926 年に、女性で初めてドーバー海峡を泳いで横断しました。巻末には、後年、耳が聞こえなくなったガートルードが、同じ境遇の子どもたちのために、水泳学校を開いたことが書かれています。
　絵がふんだんに使われ、特別な読みやすい書体で印刷されているので、学習障害、もしくはディスレクシアの子どもにも読みやすいことでしょう。ふきだしを使った効果や、グラフィックノベルのようなコマ割り、あたたかい色彩の楽しい絵も魅力的な本です。