巨鳥フェルド（スロベニア・絵本）

2018_イラストレーション作品（スロベニア語）

『巨鳥フェルド』

見かけが大勢と違うこと、社会的立場の変化について描かれた文字のない絵本。体の大きな鳥は、初めのうちは社会に役立ち、皆にいいように利用されていた。ところが、自分の欲を満たした（のどが渇いたので湖の水を飲みほした）ことで、追放される。結末では寛容の大切さが示され、希望が感じられる。画家は各場面展開を工夫しながら調整し、読者に語りかける。モノタイプとコラージュによるイラストレーションは現代的かつ独創的で、優れた技術によって、美術的な効果を引き出している。

画家について　リュブリャナ大学美術アカデミー絵画学科卒。子どもの本の仕事に専念し、絵本、教科書、科学の本、雑誌のイラストレーションを担当。スロベニアの美術館で子ども用の学習資料のデザインとイラストレーションを手がける。2005年からブラティスラヴァ世界絵本原画展に、1990年からスロバニア・イラストレーション・ビエンナーレに出展し続けている。国内外で多くの賞を受賞。本作は、スロバニア・ブック・フェアのベストデザイン賞をはじめ多数の賞を受賞。