ティーカップ（オーストラリア・絵本）

2018_イラストレーション作品（英語）

『ティーカップ』

“故郷を出なくてはならなかった少年”の長く困難な船旅の物語。少年は、生まれ育った地の土を入れたティーカップを持って船に乗った。穏やかな日も、船が転覆しそうな嵐の日も乗り越え、ついに陸に辿りついたが、少年はまだ満たされない。もうひとりの旅人が来るまでは……。イラストレーションは、油絵とデジタルの組み合わせ。簡潔で詩的な文章と、躍動感にあふれ光を感じさせる空と海の描写、視点の変化、水に映る影を特徴とする絵で、移民の人びとが抱える問題を雄弁に語る本に仕立てられている。

画家について　パプアニューギニア生まれ。12歳の頃シドニーに移住。クイーンズランド州の牧場で働いた後、美術と音楽を学ぶ。その後、イギリスでの生活を経て、現在はニューサウスウェールズ州在住。オーストラリアの児童書作家として脚光を浴びる一方で音楽家、作曲家としても活躍する。ジョン・マーズデン文の「故郷とよその国」など20点を超える児童書のイラストレーションを描いている。