おばあちゃんと バスにのって（アメリカ・絵本）

2018_文学作品（英語）

『おばあちゃんと バスに乗って』

少年ジェイと祖母のバスの旅を、生き生きとした叙情的な文章で語る。年の離れたふたり組は、教会の帰りにバスに乗り、自然の美しさ、音楽の魅力、人と人のふれあいの喜びなどについて話しながら、ボランティア食堂へ向かう。大切なのは善良な心。物質的に豊かでなくとも、美しいものを見つけることはできるのだ。多様性や、違いを積極的に受け入れることで生まれる調和についても描かれている。美しい文章と、他愛のない小さな出来事のあいだに描かれた哲学的なやりとりが特徴的で、シンプルな生き方のすばらしさを伝えている。

作家について　米国の南カリフォルニアで育ち、バスケットボールの奨学生としてパシフィック大学に進学。YAを数点発表した後、絵本も手がけ、本書で2016年ニューベリー賞を受賞。作品に『だいすきなぼくのかぞく リメンバー・ミー～ミゲルの思い出～』（中村有以 訳/小学館/2018）、『LOVEすべてはあなたのなかに』（小川未央 訳/評論社/2018）がある。現在はニューヨークのブルックリン在住。