木が 教えてくれたこと（イタリア・絵本）

2017_理解を深める本

『木が 教えてくれたこと』

　エンリーコのクラスに目立つ女の子がいます。パオラという名前のその女の子は、絶対にしゃべらないのです。そのことでパオラをいじめる子もいますが、エンリーコはパオラのことが好きでした。エンリーコが、色とりどりのチョウの絵を描いてパオラにプレゼントすると、パオラは黙って受け取りましたが、エンリーコがいろいろと聞いても、何も答えてくれません。エンリーコはとまどい、パオラは自分と同じなのか違うのかと先生にたずねます。先生は、この絵本を読む幼い読者にもわかるように、イメージを使って答えます。子どもは木みたいなもの――ほかの木とはちがう木もあるけれど、どの木も生きていて、どの木もみんなたいせつなのだと。自分と違うものを受け入れ、理解することをテーマにした優しい物語に、木をイメージした茶色と緑を基調にした絵が添えられています。