紅のトキの空（読みもの・原作イギリス）

『紅のトキの空』

精神を病む母、発達が遅れ手助けが必要な弟と暮らす12歳の少女スカーレット。彼女の願いは3人の生活を守ること。だから、母と弟の世話も買い物も洗濯もひとりで頑張った。けれど、母親のたばこの不始末で家が焼け、母は入院、弟は福祉施設、彼女は里親家庭へと3人はバラバラに。スカーレットは、心を閉じた弟を助けられるのは自分だけだと、意を決し弟を施設からさらってかくまう。つらい内容だが、けなげな主人公を支える心ある大人たちがいる。弟が愛する鳥たちの描写が心に残る。（代田）