わたしたちのケーキのわけかた（絵本・原作韓国）

『わたしたちのケーキのわけかた』

５人きょうだいの「わたしたち」は、なんでも５つに分けねばならない。ケーキも牛乳もチキンも扇風機の風も、たった１人のおじさんも。ほしいものを手にするために、１人ずつが知恵をしぼり、計算し、理屈をこねてアピールし、サバイバルする生活がゆかいに描かれる。５人きょうだいの次女だった作者自身の体験から生まれた物語。言い合い、取り合い、譲り合い、そして分かち合い。わたしは誕生日に怪我をして親を独り占めした後、またきょうだいのよさを実感する。密度の濃い家族関係、ディテールに宿るユーモアが温かい。（広松）