＃キーラのブログ（ロシア・読みもの）

IBBYバリアフリー図書2023_障害が描かれた本

『＃キーラのブログ』

女優になることを夢見る15 歳の少女キーラは、脱毛症と診断され、心を打ち砕かれます。皮肉にもキーラは、演劇でラプンツェルの役に選ばれていたのです。キーラはブログの中に、髪を失うこと、治療のこと、自分のアイデンティティについての疑問などを、感情のおもむくままに書き込んでいきます。
　それは劇中のフィナーレでのこと。キーラは自分が脱毛症であることを演技に取り入れ、ラプンツェルの癒しの力は、魅惑的な髪ではなく内から湧き上がる強さから生まれ出たものだということを感動的に表現しました。
　キーラの話はブログ形式で書かれているので、10 代の読者の興味を引くことでしょう。ページの余白、手書き文字、印刷書体などを効果的に使用したレイアウトで、読書体験の幅が広がるはずです。イラストでは、黒とオレンジのコントラストが目を引き、キーラの内面の複雑さ、感情を巧みに表現しています。キーラのように外見の変化や病気の発症を受け入れなくてはならないとき、どのように対処したらいいのかを考えさせられます。