ヴィクトールの島(スイス・絵本)
L'île de Victor
カテゴリー: IBBYバリアフリー図書、絵本/picture books
IBBYバリアフリー図書2023_障害が描かれた本
『ヴィクトールの島』
少年ヴィクトールは、1 人で想像上の島にいます。そこでは、騒音、動き回るもの、まぶしい照明の光から離れ、安心して過ごすことができるのです。島は、日常生活や学校で受けるさまざまな刺激からの避難場所なのです。ところが、実はヴィクトールが同級生たちをこわがっているように、同級生たちもヴィクトールをこわいと思っていました。そんな中でも、1人の女の子が時間をかけて少しずつヴィクトールを理解するようになり、2 人は友だちになります。
水彩画のテクスチャー、ぼかしの美しさと、簡潔で詩的な文章が、自閉症であるとはどういうことなのか、医学的症状を書き連ねるよりも、わかりやすく伝えてくれます。グレーと黄色と黒色は、自閉症の子ども1 人だけの世界と、そのおだやかさを表しています。一方、ページ全体にぱっと広がる色彩や形は、外の世界からの侵入を表現していて、読者もヴィクトールと同様に、その刺激におどろかされます。本書は制作関係者の中に自閉症のきょうだいがいることから生まれた作品で、物語そのものよりも経験を共有するための絵本となっています。
出版社 | Éditions Loisirs et Pédagogie LEP |
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初版年 | 2020年 |
ISBN | 978-2-6060-1719-4 |
ページ数 | 40頁 |
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対象年齢 | |
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L'île de Victor
- Sellier, Marie| Louis, Catherine
- Éditions Loisirs et Pédagogie LEP
- 2020
- 40 pages
- ISBN 978-2-6060-1719-4