カンティガのぴったりのなまえ（南アフリカ・絵本・アフリカーンス語）

IBBYオナーリスト2022_イラストレーション作品

『カンティガのぴったりのなまえ』

カンティガは、かわいい女の子だが、自分の名前をきらい、ほかの名前だったらいいのにと思っている。それを知ったゴゴ（おばあちゃん）は、家族に語り継がれてきたお話をしてくれる。それは、割れてしまった魔法のつぼの話で、つぼは割れてしまったから役に立たないと思われがちだが、割れたからこそすばらしいものとなったというもの。楽しくてきれいな絵がついている。アフリカでよく知られている伝承の話を、現代の子ども向けに語り直した絵本とも言える。

●画家について／夫婦の画家として25 年以上のキャリアをもち、作品は南アフリカ以外の国でも出版されている。グラフィックデザインを学んだが、今は、文章と絵による物語に魅力を感じて、ふたりで子どもの絵本を描くことに専念している。力強い構図と手書きの文字を、慎重に作り上げたキャラクターと組み合わせた絵は、独特の色と動きを表現している。「ワンダ」（2019）、「うたう石」（2018）、「アフリカのオーケストラ」（2017）、「魔法をみつけたシュドゥ」（2021）、「スタンのおそろしいハロウィン」（2021）など。クワズールー・ナタール州在住。