つきをたべたことある？（スロベニア・絵本・スロベニア語）

IBBYオナーリスト2022_イラストレーション作品

『つきをたべたことある？』

ごっこ遊びをユーモアたっぷりに描く絵本。イラストレーションは細部までていねいで、想像力に富み、登場人物の気持ちをありありと伝える。構図は暗い部分と空白の配置がよく練られている。主人公の宇宙飛行士たちは、まるで無重力空間にいるようにページを漂っていく。光と影の対比がきわだつ描写は、実際の宇宙船の月面着陸を思い起こさせる。暗い背景に青みがかった色合いで宇宙世界がじつに生き生きと描かれている。

●画家について／ 1978 年生まれのイラストレーター、アニメーション作家。短篇アニメーション映画「ぼうしのエゴン」を制作し、スロベニア自然史博物館の教育ゲームのシリーズ「フロリヤン・ウメク教授」のデザインとアニメーションを担当。絵を手がけた児童書は15 点以上。サショ・ドレンツのノンフィクション「遺伝子から星まで」で金の梨賞を受賞。マシャ・オグリゼクの絵本「すばらしいものがたり」では金の梨の高評価を受けた。ペテル・スヴェティナの絵本「トンブクトゥ、トンブクトゥ」でクリスティナ・ブレンコワ賞を受賞。本書はレフスティク賞の候補となった。