ラドヤード（イタリア・絵本・イタリア語）

IBBYオナーリスト2022_イラストレーション作品

『ラドヤード メガネをかけた男の子』

イギリスの作家・詩人であるラドヤード・キプリングの子ども時代を描いたフィクションの伝記。活気に満ちたインドで幸せな幼少期を過ごしたあと、寒いイギリスで暮らすことになり、“見捨てられた” ように感じたラドヤード。幼い頃から読むのが好きで、文字を読めるようになりたいあまり、目を悪くしてしまう。19 世紀のイギリスやインドの風景と、キプリングの頭のなかから生まれたイメージをみごとに調和させて描いた美しい作品。灰色を基調とした色彩は、キプリングがこの時代のイギリスに抱いていたイメージかもしれない。

●画家について／ 1952 年、クーネオ生まれ。1976 年に月刊誌「ライナス」で漫画家デビュー。1978 年、ルッカ国際マンガサロンで、権威あるイエローキッド賞を受賞。脚本家のマルコ・トマティスとともに数々の印象的なキャラクターを生み出し、1984 年に「ソランジュの冒険」が、ヨーロッパ各国で出版された。1986 年、「マンガで読む化学の歴史」でルカ・ノヴェッリとともにイタリア・アンデルセン賞（大衆科学部門）を受賞。作品のいくつかはミュンヘン国際児童図書館の「ホワイト・レイブンズ」に掲載されている。